撮った写真をみなさんはどうしているでしょうか。
最近では撮ったものをレタッチした後はSNSにアップロード、あとはたまに見返すだけという表現方法が一般的となっています。
TwitterやInstagramへの投稿はよくするけど印刷したことはないという方も多いと思います。
印刷するとなると真っ先に思い浮かぶのはパネル印刷やフォトブック制作ではないでしょうか。
しかし、それらは費用も高く手間もかかるため、失敗だったときのリスクも考えると中なか踏み出せないかもしれません。
そんなときに、手軽に安価で印刷できるのが『コンビニプリント』です。
最近のコンビニの印刷機は高性能で、写真も非常に綺麗に仕上がります。
コンビニなら家にプリンターがなくても、わざわざ写真屋さんに行かなくても手軽にプリントすることができます。
今回は、大手コンビニ「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」の3社で同じ写真をプリントし、その品質の違いについて解説していきます。
各社のプリントアプリとプリンターの違い
今回比較するコンビニは全国的に店舗数も多い「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」の3社です。
調べたところ、ファミリーマートとローソンのほとんどの店舗では同機種のプリンター、同アプリを使用してるようでした。
それぞれについて解説させて頂きます。
セブンイレブン
セブンイレブンで使用するプリンターは「富士ゼロックス製マルチコピー機」です。
プリント価格はL版写真1枚40円です。
ファイル形式はJPEGやPNGをはじめPDFやWindows office系の多くの形式に対応し、画像についてはアプリ内形式に変換後のサイズで1ファイル4MBまで、合計10MBまでであれば一度に10枚印刷可能です。
このプリンターがアプリ「かんたんnetprint」と連動して、写真をプリントすることができます。
セブンイレブンのネットプリントアプリは「かんたんnetprint」。iOSでもAndroidでもダウンロード可能です。
ファミリーマート&ローソン
続いて、ファミリーマートとローソンですが、この2社は使用するアプリもプリンターも全く同じです。※
ファミリーマートとローソンで使用するプリンターは「SHARP MX-3610DS」です。
プリント価格はL版写真1枚30円。
容量60MBの一時保存ボックスに1ファイル10MB以内のファイルを保存することができ、そこから一度に24枚印刷可能です。
セブンイレブンと比較して一度に多くの印刷が可能となっています。
アプリ名は「Print Smash」。どちらもiOS,Android共にダウンロード可能です。
※2020年5月12日より、シャープがローソンへ向けて新型マルチコピー機を順次納入開始しています。現在一部店舗のみ新型マルチプリンターへ切替。
同じプリンター/アプリでも多少の個体差があります
こちらは同じ機種のプリンター/アプリですが、それぞれ別のコンビニで印刷したものです。
右の方が青が淡く印刷されているのが分かります。
このように多少の個体差が出てしまうことも、ある種印刷したときの楽しみと前向きに捉えて読んで頂けると有難いです。
元データと印刷物の比較
元データと比較して色の出方がどう変化するのかを知っておかないと、思い通りの写真を出力することができません。
コンビニごとに印刷物と元データの色合いにどのような違いがあるのかを比較していきます。
今回比較に使用する写真はこちらの2枚です。
1枚目は水槽を優雅に泳ぐ2匹の金魚の写真。
特に明るく淡い赤と青の彩度に注目して比較してみたいと思います。
2枚目は日没直後のマジックアワーの写真です。この写真では空のオレンジ、中央部分の青みがかった影の部分、一番下の黒い影の部分の表現がどう変化するかを見ていきます。
セブンイレブン
元データ①
セブンイレブンL版プリント①
データと比較しやすいように写真を全画面になるようにトリミングしました。
元データと比較するとかなり色の違いが出ています。
元データは淡い色を意識してレタッチしたものですが、プリントアウトされた写真は彩度が高くなっています。
元データ②
セブンイレブンL版プリント②
こちらはより一層元データとの色の違いが顕著に出ています。
彩度が高くなる影響で写真の中の紫色が濃く出てしまっていて、全体的に紫の印象がグッと強くなっています。
ファミリーマート&ローソン
続いてファミリーマート&ローソンを検証してみます。
元データ①
ファミリーマート&ローソン L版プリント①
ファミリーマートとローソンの写真は濃過ぎず薄過ぎないちょうど良いバランスで、元データとも大きな差はありません。
プリントした写真をカメラで撮るとどうしても少し暗く写ってしまうので違った印象を受けるかもしれませんが、実際に肉眼で見たときの色の再現度はほとんど元データ通りです。
元データ②
ファミリーマート&ローソン L版プリント②
少しだけ紫味は増しているものの、セブンイレブンほど大きな差は無くなってきています。
やはり元データに近い写真を印刷するのであればセブンイレブンよりもファミリーマートの方が向いていると言えるでしょう。
コンビニ同士の比較
ここまでコンビニごとのL版プリントをメーカ別比較、元データ比較と見てきましたが、それぞれの特徴と相性の良い写真がはっきりと別れました。
それは以下の通りです。
コンビニプリントの価格や特徴の比較
【セブンイレブン】
L版プリント価格:40円/1枚
一度のプリント枚数:10枚まで
ファイルサイズ:10MBまで(1ファイルは4MBまで)
特徴:彩度が高くドラマチックな仕上がりになる
相性:色の濃い写真、発色の良さを求めるポートレートなどとの相性が良い
【ファミリーマート&ローソン※】
L版プリント価格:30円/1枚
一度のプリント枚数:24枚まで
ファイルサイズ:60MBまで(1ファイルは10MBまで)
特徴:再現度が高く、元データに忠実
相性:どんなジャンルにも対応可能(比較的パステル系の色合いの写真、自然光で撮影した料理や淡い雰囲気のポートレート、明るい風景写真に向いている)
※ローソンは一部店舗のみ新型マルチプリンターへ切替中。
コンビニプリント 印刷物で比較
セブンイレブン(左)とファミリーマート&ローソン(右)
両者を比較してみてみると、やはりセブンイレブンの方が少し色が濃い仕上がりになっています。
水の色を見ていただくとわかりやすいと思います。
色合いの比較だとこちらの写真がわかりやすいでしょう。
セブンイレブン(左)の方がファミリーマート&ローソン(右)よりも紫色が濃く出ています。
同じ写真なのに空の色が全く違います。
ファミリーマート&ローソンはよりリアルな色合いを出し、セブンイレブンの方はよりドラマチックな写真に仕上がる傾向にあるようです。
基本に忠実なファミリーマート&ローソンを基準とし、鮮やかな写真にしたい場合はセブンイレブンを選ぶと良いでしょう。
まずは手軽にコンビニプリントを楽しもう
撮った写真を液晶画面の中だけで楽しむもの一つの方法です。しかし、画面越しにみることだけではなく、実際にプリントしてその感触を味わったり部屋に飾ったりすることも写真の良さの一つです。
デジタルカメラで撮影した写真の多くは、データとしてカメラに記録され、データとしてSNSにアップロードされ、データとしてスマートフォンやパソコンに保存されています。
そのデータである写真に命を吹き込むために、一度現実の写真に焼き付けて色の変化や写真の手触りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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