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2020年も早いものでもう3月ですね。
今年は暖冬と言われていたので、季節が少し後ろにズレて寒さが4月以降も続くのかなと思っていましたが、日に日に春の陽気を感じるような気候になってきています。
春といえば日本の誇る四季の彩りの一つ、桜ですよね。
桜といえばいつの間にか咲いては儚く散っていくもの。毎年「今年は撮り逃した!」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、来る春に向けて、今年こそは綺麗な桜を撮るぞ!と意気込む方のために、桜を撮るための基本的なコツ、桜撮影の時期の見極め方、そして最後に関西の桜撮影スポットをご紹介させていただきます。
記事の本題に入る前に
今年は暖冬で既に暖かくなり始めているので、桜の開花予想も3月後半から4月半ばにかけてと言われています。
しかし、いまは世界的にもコロナウイルスが急激に広がっており、日本でも感染者が日々増え続けています。
もはやコロナウイルスの驚異は他府県の一部のお話ではなく、身近なところで感染報告が上がるようになってきました。
桜が見頃を迎えるまでにウイルス騒動が落ち着いてくれるのか心配なところです。
もし、撮影に出かけられる場合はマスクなどの感染予防には十分ご注意ください。
桜の撮影のコツ
桜は咲いた後に雨が降るとすぐに散ってしまいます。そのため、桜を綺麗に写真に収めるチャンスは意外と少ないのです。
そこでここでは、桜を綺麗に撮るために心がけたい事を4つご紹介します。
事前に知っておくことで、桜のベストな開花タイミングを迎えた時に思い通りに撮れるようにしましょう。
桜撮影のポイント①:PLフィルターを使う
まず、桜の撮影にはPLフィルターを使うことをおすすめします。
PLフィルターとは、Polarized Light(偏光)フィルターの略で、光の反射除去の効果がある風景撮影には必須と言っていいアイテムです。
よく使用される用途としては、青空や滝などの岩の表面の光を抑えるなどで、被写体に対する光の反射を抑えることでコントラストをしっかりと表現できたり、しっとりとした質感の写真に仕上げることができます。
このように、レンズの先端に取り付けます。
フィルター部分は回転するようになっており、クルクル回すことで光の除去量を調節します。
参考商品リンク:MARUMI PLフィルター 49mm
こちらの作例ではPLフィルターを使って水面の光の反射を除去しました。そうすることでまるで鏡のような水面反射の桜を表現することができます。
これは撮影後のレタッチでは実現できないことが多いので、PLフィルターを活用しましょう。
桜撮影のポイント②:ホワイトバランスは「晴天」
次はカメラの設定についてです。
桜を撮影するときはホワイトバランスを「晴天」にするのがおすすめです。
桜は淡いピンク色が魅力的で、青空との相性が抜群です。青い空と薄ピンクの桜の色は色彩的にも相性がよく華やかに見えます。
そのため、ホワイトバランスを寒色よりにすることで写真全体から黄色味が消え、青空と薄ピンクが綺麗に映えるようになります。
寒色に寄せすぎると真っ青で不自然な写真に仕上がってしまうので、カメラにあらかじめ内蔵されている「晴天」に設定するのがちょうどよくておすすめです。
ちなみに、以前書かせていただいた記事で少し解説したように、人間の目と脳は青い色をより記憶に残すという性質があるので、ホワイトバランスを寒色に寄せるとより思い出補正がかかってストーリーや風情のある写真になります。
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桜撮影のポイント③:あえて桜を主役ではなく背景として活かす
「桜を撮るぞ!」と意気込むと、どうしても桜にばかり目が入ってしまいがちです。
そうするとどうしてもワンパターンな写真が量産されてしまう・・・なんてお悩みも出てきますよね。
そんなときは、一歩引いた目線で考えてみてください。果たして桜は主役でなければならないのか。
決してそんなことはありません。
満開の桜の薄ピンクは非常に爽やかで華やか、そして上品です。
そんな桜を背景として利用してみましょう。
慎ましく咲いた菜の花を主役に、背景には華やかな桜を添える。
そんな表現の仕方も風情があっていいのではないでしょうか。
桜撮影のポイント④:彩度は上げない
SNSで映える写真を意識すると、どうしても彩度を上げたくなってしまうという方もいるでしょう。
インスタグラムやツイッターなど、タイムラインの流れが早いSNSではアイキャッチが非常に重要になってくるので、彩度が高くて鮮やかな写真が目に留まる傾向にあります。
しかし、桜の写真に関してはそこをグッと堪えてみてはいかがでしょうか。
せっかく風情のある薄ピンクの淡い桜の写真が、彩度を上げることによって濃いピンク色になってしまうとまるで梅のようになってしまいます。
それはそれでいいという見方もできますが、せっかくいろいろこだわって撮影した桜の写真ですので、まずは素材そのままの色合いを楽しんでみてください。
桜の撮影タイミングの見極め方
桜の撮影タイミングは一瞬なので、本当に難しいですよね。
今年はいつどのタイミングでどこへ撮影に行こうかと今から考えている人も少なくないでしょう。
2020年の桜の開花予想は関西では3月下旬、関東では3月中旬ごろと言われています。
「日本気象協会」などが毎年桜の開花予想を頻繁に更新してくれているので、今の時期からこまめにチェックしておきましょう。
【日本気象協会】
天気予報も合わせて確認する
開花予想に加えて、天気予報も確認しておきましょう。
桜の代名詞であるソメイヨシノは開花してから1週間が見頃と言われています。
それまでの間に雨が降ってしまうと散るペースがさらに早くなってしまいます。
平日は仕事で撮影にいけないという人は土日に撮影の予定を組むと思いますが、それまで桜が残っているかどうかは意外と天候に左右されてしまうので、ここは見落とさないようにしましょう。
桜を撮るなら早朝がおすすめ
桜を撮影するなら早朝の時間帯がおすすめです。
理由は以下の4つ
1.空気が澄んでいてクリアに撮れる
2.日が高くない状態だと光が柔らかいので桜に影ができにくい
3.観光客が少ないので撮りやすい
4.桜撮影ベテランのおじいちゃんたちから穴場スポットの情報がもらえる
①早朝は空気中の塵が少なく澄んでいるので、薄ピンクの淡い表現がいっそう綺麗になります。
②また、午前中は太陽が登りきっていない状態なので光が柔らかく、そのおかげで桜に影ができにくいというのもポイントです。特に桜を全体的に撮影しようとした時に陰影ができずより一層華やかなピンク色を楽しむことができます。
③桜の撮影スポットは観光客で溢れることも多いですが、早朝の時間からくる人は相当なマニアかカメラ関係の人たちなので、系的に撮影することができます。
④これは筆者の体験談なのですが、早朝から桜を撮りに来ているおじいちゃんたちは仲間意識が強く、しばしば撮った写真を見せあったりすることもあります。そんな会話の中で優しいおじいちゃんだとご自身が知っている穴場スポットを教えてくれたりするのです。
こういった交流も、写真の醍醐味ですよね。
関西の桜撮影スポット紹介
最後に関西の桜撮影スポットについてご紹介します。どれも人気のスポットですが、写真をやっている人でないと行かないような場所もありますので、桜が咲いたら是非足を運んでみてください。
又兵衛桜【奈良県宇陀市】
まずは奈良県宇陀市にある樹齢300年越えの桜の古木。
2000年に放映された大河ドラマ「葵 徳川三代」のオープニング映像で使用されたことでも有名な由緒ある桜です。
背後の梅の花の濃いピンク色がより一層鮮やかな又兵衛桜を引き立ててくれています。
桜マニアのおじいちゃん方に囲まれながらの撮影を楽しめます。
住所:〒633-2156 奈良県宇陀市大宇陀本郷
諸木野の桜【奈良県宇陀市】
続いてこちらも奈良県宇陀市の桜「諸木野の桜」です。
ちょうど桜の咲く季節に、桜の木の横にある田んぼに水が張られることでこのように見事な桜の水面反射を楽しむことができます。
この桜の撮影タイミングは非常にシビアで、桜が咲き、田んぼに水が張ってあり、風がなく、雨も降っていないという複数の条件が揃ってようやくこの景色を拝むことができます。
諸木野の桜を撮影するコツは、
・「70-200mmのレンズを用意すること」と
・「露出は少し下げて暗めに撮る」
です。
この構図で撮影できるポイントは桜から少し距離が離れているので、桜の全体像を画面いっぱいに収めるためには望遠レンズが必要です。
ちなみにこの写真は焦点距離88mmで撮影しています。
露出については少し下げて自分でも「ちょっと暗いかな?」と思うくらいで撮影し、“あえて”周りを黒潰れさせることで和の作品風に仕上がります。
晴れた日には又兵衛桜と一緒に撮影プランに組み込んでおくと万が一この景色が見れなかったとしても落ち込むことはないと思います。
住所:〒633-0214 奈良県宇陀市榛原諸木野248
吉野山の滝桜【奈良県吉野郡】
奈良県吉野郡、吉野山には桜の名所がたくさんあります。
その中でも特におすすめしたいのがこちらの「滝桜」です。
「千本桜」とも呼ばれ、文字通り、無数の桜が滝のように流れ込んでくるかのような錯覚に陥ります。
一本一本は小さな桜の木ですが、無数に寄り添いあって一つの大きな桜となって楽しませてくれます。
住所:〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町大字吉野山1187
ナメゴ谷【奈良県吉野郡】
春になると山の尾根にのみ桜が咲き乱れる幻想的な景観が楽しめる「ナメゴ谷」。
まるで龍が天に昇っていくかのような圧倒的な桜の名所です。
「行者環岳」とも呼ばれていて、その名は行者さえも引き返した険しさに由来すると言われています。
この景色もまた、晴れた日の早朝、花粉で空気が霞んでいない状況を狙わないと思ったようなクリアな写真は撮れない難易度の高いスポットです。
実際にはこのナメゴ谷からかなり離れた場所からの撮影となるので、撮影には望遠レンズが必須です。
住所:奈良県吉野郡上北山村西原
蹴上インクライン【京都府京都市】
最後にご紹介するのは京都の定番桜スポット「蹴上インクライン」です。
廃線となった線路の上を歩くことができ、その両橋には見事な桜並木が続いていきます。
こちらは観光客も多く訪れる定番観光スポットなので、撮影の難易度はかなり低いです。
しかし、日中に行くと当然人で溢れかえって逆に思ったような撮影ができない可能性も高いので、行くなら早朝を狙うことをおすすめします。
住所:〒605-0044 京都府京都市東山区東小物座町339
今年こそ、理想の桜を撮ろう
桜の撮影はタイミングの見極めも難しく、トライ&エラーを繰り返す余裕もないほど旬は足早に過ぎ去っていきます。
そんな儚い桜の写真をできる限り自分の理想に近づけて撮るために、撮影のタイミング、カメラの設定、PLフィルターの準備など、今回ご紹介したような事前準備をしっかりと行っておきましょう。
それでは、桜の季節を楽しみましょう!
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