プロの世界でも専属のカメラマンがいるくらい、スポーツ写真は撮影の装備とスキルが必要です。
では運動会の写真撮影は、なぜ失敗してしまうことが多いのでしょうか。その原因として、
・運動会はスピード競技が多く、調整が間に合わない
・晴天のグラウンドはコントラストが高く、明るさが安定しない
・被写体である子供が遠い
といったことがあげられます。
それではそれらの問題に対して、どう撮影すればよいか、対処方法を一眼レフカメラを中心に考えてみましょう。
運動会の撮影ポイント① 徒競走・・・スピード競技はシャッタースピードに気をつけて
走っている姿をピタッと止めて撮影したい場合、シャッタースピードを調整してみましょう。1/1000秒あれば、まずブレることはありません。しかし、「オート」や「P」モードで撮影しているにもかかわらず、なぜか暗い写真になることがあります。
原因と対策
ブレないけれど暗い写真に仕上がるのは、シャッタースピードを優先すると、取り込める光が少なくなってしまうためです。
その場合はモードを「Tv」や「S」に変え、ISO感度を上げ、必要に応じて露出調整(プラスマイナス補正)で補正してみましょう。
はじめは連写モードをおすすめしますが、撮影後のセレクトが大変ですので、上手くタイミングが合わせ瞬間を狙って撮影すると良いでしょう。
撮影のポイント コーナー付近が狙える位置で
難易度は上がりますが、コーナーを狙える場所がおすすめです。コーナー付近はスピードが落ちやすく一列になるため、臨場感あふれる写真を撮影することができます。
確実に押さえたい場合は、ゴール付近を正面から狙います。
学校によっては撮影場所が決まっている場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
競技が始まる前に同じ条件下で試し撮りをし、明るさとシャッタースピードのベストな組み合わせをセッティングしておくと安心です。
運動会の撮影ポイント② ダンスの・・・明るさの基準点(測光)に気をつけて
ダンスは動きも速く、場所や並び方によっては逆光になってしまいます。
さらに、帽子をかぶっている、太陽が真上からあたる、といった場合はどうしても顔に影ができてしまいます。
ピンポイントで明るくしたい場合はどうすればよいのでしょうか。
原因と対策
カメラ任せの設定にしていると、明るさの基準点(測光)が直射の当たるグラウンドや空など、被写体よりも明るい所になってしまうことがあります。
ファインダーの中の、明るいところと暗いところの比率はどうか、測光のモードは適正か、といったことを見直す必要があります。
「オート」や「Pモード」を使う場合、背景よりも被写体の面積が多くなるようにしてみましょう。さらに、カメラに慣れた人は、スポット測光(Google検索結果リンク)を使いながら適正な明るさを目指しましょう。
撮影のポイント 低めのカメラ位置で
お子さんのイキイキとした表情を捉えるには、身長に合わせて下から見上げるかたちでカメラを構えましょう。
お友達との集合写真など、時間に余裕がある時にはストロボを活用しましょう。
影が緩和され、背景とともに表情がキレイに撮れます。
運動会の撮影ポイント③ 騎馬戦や玉入れ・・・撮り方に工夫を凝らしてみよう
騎馬戦などや玉入れといった団体競技は、白熱した雰囲気が魅力の競技です。
できれば見て楽しみたい競技ですが、カメラマンはファインダー越しに楽しみましょう。
原因と対策
騎馬戦などや玉入れは、安全面を考えてグラウンドの中央で行われることが多くあります。
手持ちのレンズでは被写体までの距離が遠い、といったときは思い切って引いてみましょう。
競技全体の雰囲気を残せる写真も、またおもしろいものです。
撮影のポイント カメラワークで変化を持たせよう
単体の騎馬は縦位置の写真にし、全体は横位置の写真にするなど、撮り方を工夫してみましょう。
また、写真の半分がグラウンドや空といった、残念な仕上がりになってしまうことがあります。
仕上がりのバランスを考えて写真を撮りましょう。
運動会の撮影ポイント 番外編 事前準備を万全に
準備をしっかりとすることで、気持ちに余裕を持って撮影できます。
運動会前日までにバッテリー充電やメモリー残量のチェックといったカメラの準備をしておきましょう。
また、カメラの最大の敵である「砂埃」を避けるため、レンズ交換は最小限にしておきたいものです。
しっかりと運動会のプログラムを確認し、どのような競技か、お子さんの立ち位置や動きはどうか、頭の中でシミュレーションしながらカメラ位置やレンズ交換の計画を立てておくとよいでしょう。
運動会の撮影ポイント まとめ
以下本記事の簡単なまとめを箇条書きにしますので、ご参考下さい。
スピード競技
・シャッタースピードは1/1000秒を目安に
・はじめは連写モード、慣れたら置きピンで狙って
・「Tv」「S」モードでISO感度を上げて明るさを調整。必要に応じて露出(プラス/マイナス)補正を
・コーナーもしくはゴールを狙って
表現競技
・スポット測光を使って
・カメラ位置は低めを心がけて
・時間が取れる場合はストロボを利用しよう
団体競技
・カメラワークで変化と工夫を
・仕上がりをイメージしてファインダーを覗く
前日準備
・バッテリー充電
・メモリー残量チェック
・プログラムでレンズ交換のタイミングを確認
・競技内容と子供の動きを確認
その他参考記事
[sc name=”1037_kinensatsuei” ]
[sc name=”497_bridal” ]
[sc name=”3525_aquarium” ]
[sc name=”3498_museum” ]
コメント