より美しく見ごたえあるポートレートを撮影するならば、モデルさんとの円滑なコミュニケーションは必要不可欠です。
これができていなければ撮影自体が円滑に進まないばかりか、撮れた写真もどこか後ろめたさを感じるような不出来なものとなってしまいます。
この記事では、ポートレートのクオリティ向上のためのモデルさんとのコミュニケーションの取り方について解説していきます。
はじめてポートレートを撮る方だけではなく、ある程度経験がある方でもこれらの方法は有効です。
モデルさんのポーズや表情を具体的に褒める
モデルさんとポートレート撮影を行うにあたって「褒める」ということはかなり重要です。
誰であっても自分の「仕事」に対して肯定的なことばをもらえればうれしくなります。
事実、ポートレートに関する書籍でも、モデルを褒めることが大事であると述べていることが多いです。
しかし、ただ闇雲に「いい感じですね」「きれいなポーズですよー」といったことばを並べても、言われている側としてはピンとこないのではないでしょうか。
確かにそういった褒め方をするのも悪くはないのですが、そればかりではあいまいさを感じざるを得ません。
そこで重要になるのが「具体性」です。
たとえば顔の角度がいい、目線の配り方がいいといったように、相手のどこがよいのかといったことをある程度具体的に述べた上で評価するとよいでしょう。
褒められる立場からすれば、あいまいな褒めことばよりも具体的な評価の方が自分の長所をよく理解でき、「もっとがんばろう」という気持ちになれるはずです。
そういったポジティブかつ具体的な評価をしながら撮影を進めていけば、互いに気持ちよくがんばれるでしょう。
撮影写真はモデルさんといっしょに確認を
フィルムカメラ時代、撮影した写真というのはある意味「その後のお楽しみ」的なものでした。
ライティングなどをうまく調節できる経験豊富なカメラマンであれば、どのような画が撮れたかをある程度把握することはできたかもしれませんが、被写体になるモデルは自分がどのように撮られたのかすぐに知ることはできなかったのです。(経験の少ないモデルであれば、なおさら自分の画を想像しづらいでしょう)
しかし、今はデジタルカメラが主流となっており、撮影した写真はボタンをパパッと押すだけでその場で確認できます。
これを有効活用しない手はありません。カメラマンが撮影結果を確認するのは当然のことではありますが、それをモデルさんと共有するようにしましょう。
もう少し具体的に説明すると、「さっきの写真はこんな風に撮れました」といった感じで、モデルさんにカメラの画面で撮影結果を見せるようにするのです。
これならば、モデルさんも「自分がどのように撮られているか」といったことがその場で把握でき、よい点や改善点を掴みやすくなります。
ネガティブでない指摘を
これは特に重要な事柄なのですが、カメラマンはモデルさんに対して「ここがよくないよ」「そこをもうちょっとなんとかしてほしい」といったような、ある種のネガティブさを含んだ指摘を行うべきではありません。
確かに、プロカメラマンの中にはあえてモデルさんに厳しい発言をする人もいます。
しかしほとんどの場合、そうした否定的なことばの投げかけは場の雰囲気を悪くします。
あなたがスムーズにハイクオリティのポートレートを撮りたいのであれば慎むべきです。
だからと言って、モデルさんに直して欲しいところがあっても黙っているべきと言いたいわけではありません。
そういった点を指摘したい場合は「ここをこうすればもっとよくなる」といったように、柔らかいニュアンスで伝えるようにしましょう。
参考記事
[sc name=”406_shoshinsha_model_communication” ]
[sc name=”559_kosatsu_trouble” ]
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